2023年09月27日 |
東北大、キラーT細胞を活性化するRNAワクチン創出 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院 薬学研究科の秋田英万教授を中心とする研究グループは27日、ビタミンEを構造内に含む人工脂質を用いてLNPを作製し、mRNAを組み込むと、がんや感染細胞を殺傷するキラーT細胞と呼ばれる免疫細胞を強く活性化するRNAワクチンとして働くことを見出したと発表した。また、同LNPを生体内で取り込み、キラーT細胞にワクチン抗原を提示する免疫細胞を特定した。 ビタミンE構造を含む人工脂質を用いて作られた脂質ナノ粒子が、がん免疫や感染免疫を促進する性質を持つことを見出した。 今回知見は副作用の少ないRNAワクチンの開発や、ワクチン以外の遺伝子治療のような免疫応答が不要な医薬品の創出へ貢献すると期待される。 本成果は9月27日に ACS 「Nano」誌電子版に掲載された。 <用語の解説> ◆脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticle) :脂質同士が会合することによって形成されるナノサイズの集合体。使用する脂質によってはmRNAなど核酸を粒子の内部に封入することができる。核酸は脂質ナノ粒子に封入されることで酵素による分解を防ぎ、細胞膜を通過できるようになる。 |