2023年10月06日 |
都立大など、無機ナノチューブ合成技術 世界初開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東北大学 |
東京都立大学の中西勇介助教および東北大学、大阪大学の研究チームは6日、次世代半導体として有望な遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)と呼ばれる二次元シートを円筒状に丸めた無機ナノチューブを合成し、その構造的な特徴を明らかにしたと発表した。 カーボンナノチューブは、黒鉛の単層であるグラフェンを円筒状に丸めたナノ物質で、その巻き方(カイラリティー)に依存して電気伝導特性や光学特性が変化する特長があり、無機系の二次元シートをナノチューブにすることで、カイラリティーに由来する機能の発現が期待できる。 今回、研究チームは、絶縁体の窒化ホウ素(BN)ナノチューブをテンプレートとして用いた結晶成長により、様々な組成・構造をもつTMDの単層ナノチューブの合成に成功した。 さらに原子レベルの電子顕微鏡によりそのカイラリティーの分布を調べた。その結果、 (1)BNナノチューブ内で数ナノメートル径の細いTMDナノチューブを合成できた (2)層TMDナノチューブのカイラリティー分布を解明した (3)外側と内側のカルコゲン元素が異なる「ヤヌス構造」を実現した、の3点の成果を得た。 同成果はドイツの科学雑誌「Advanced Materials」(10月5日付)オンライン版に掲載された。 (詳細) https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20231006_01web_nano.pdf |