2023年10月13日
帝人グループ、納豆菌死菌の整腸作用を確認
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:帝人

 帝人とグループ会社の帝人目黒研究所は13日、プロバイオティクス事業が展開する納豆菌の有用性を確認したのに続いて、納豆菌の死菌についての試験管的(in vitro)研究を行い、死菌がプレバイオティクス(有用菌のエサ)のように作用して、乳酸菌およびビフィズス菌を増加させること、また整腸作用に関わる短鎖脂肪酸を増加させることを確認したと発表した。

 一般に、有用菌を摂取した際の効果や作用などについての研究は多く行われているが、死菌についての研究は多くない。一方、食品用途での需要が増えている。帝人は今後、死菌を市場展開するにあたり、その整腸効果などの作用について研究を行ってきた。結果は以下のとおり。

<試験内容と結果>
■ 試験1:整腸作用に関連する短鎖脂肪酸量への影響
 大腸内の環境を模倣した「腸内細菌叢モデル」内に納豆菌死菌を 50mg、200mg、800mg をそれぞれ添加した群と、何も添加しない無添加群、水溶性食物繊維のイヌリンを添加した群の 5 群間で代謝物の濃度を比較した。その結果、納豆菌の死菌を添加した群は短鎖脂肪酸が増加しており、さらに、有用菌である乳酸菌やビフィズス菌の菌量も増えていることを確認した。
■ 試験2:乳酸菌およびビフィズス菌の菌量増加への影響
 糖源を含まない培地において、死菌を添加した群と添加しない群の 2 群に分け、乳酸菌 3 種類、およびビフィズス菌 2 種類をそれぞれに培養し、菌体の増加量を群間比較した。その結果、死菌を添加することにより、一部の乳酸菌およびビフィズス菌の菌量が増加することを確認した。