2023年10月17日 |
東北大、一酸化窒素で心不全の治療反応予測 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
心不全は心臓から血液を送る力が低下し、息切れや体の浮腫(むくみ)がみられ、生命に関わる世界的にも主要な疾患。特に肺動脈の拡張障害を伴う心不全Group2 PH心不全は検査法や治療法が未確立で、予後も不良と恐ろしい。一方、NO吸入負荷試験は、主に肺高血圧症の肺血管機能を評価する検査法で、カテーテル検査中に一酸化窒素を吸入し、その際の心臓・肺血管の圧力変化から肺血管治療反応性を予測することに用いられる。 東北大学大学院 医学系研究科の安田聡教授(循環器内科)らの研究グループは16日、心不全に対するNO負荷試験の有用性に着目し、東北大学病院でカテーテル検査を受けたGroup2 PH心不全症例のデータを後ろ向きに解析した。その結果、NO負荷試験で心臓の負担を示す肺動脈楔入圧の上昇がみられた症例では、心不全再入院率が高く、予後が悪いことを明らかにした。今後、心不全に対する新たな治療戦略につながると期待される。 同研究は9月29日に心不全研究の専門誌ESC「 heart failure 」誌オンライン掲載された。 <用語の解説> ◆肺高血圧分類2群(Group2 PH):肺血管の機能障害を伴った心不全。 ◆ 酸化窒素吸入負荷試験(NO吸入負荷試験):一酸化窒素 NOはNitric oxideの略称。心血管系において長く研究される血管拡張に関する重要な因子。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20231016_01_heart.pdf |