2023年11月08日 |
北大、皮膚バリア脂質の構造と反応様式解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学大学院 薬学研究院の木原章雄教授らの研究グループは7日、これまで不明だった結合型セラミドの構造を解明し、その産生の反応様式を明らかにしたと発表した。 表皮の最も外側に存在する角質層は、体外からの異物(病原体、アレルゲン、化学物質など)の侵入や体内からの水分の蒸発を防ぐ透過性バリア(皮膚バリア)として機能している。角質層を構成する角質細胞の表面にはタンパク質と結合した結合型セラミドと呼ばれる特殊なセラミドが存在し、皮膚バリア機能に不可欠な働きをしている。だがその正確な構造や反応様式は不明なままだった。 研究グループは、結合型セラミド産生における中間体のエポキシエノンセラミドと、その構造を模した化合物(EEアナログ)を用いたアミノ酸・ペプチドとの結合実験及びマウスの表皮を用いた解析から、結合型セラミドの構造がシステイン結合型P-EOセラミドであることを明らかにした。 その構造はEEセラミドのエノン構造部位のβ-炭素がシステイン残基のチオール基と結合したものであり、その産生はマイケル付加反応と呼ばれる様式で行われていた。さらに、システイン結合型P-EOセラミドは皮膚に豊富に存在し、主要な結合型セラミドであることを明らかにした。 同研究成果は今後、皮膚バリア形成の分子機構の解明やバリア異常に起因する皮膚疾患(魚鱗癬、アトピー性皮膚炎など)の治療薬の開発につながると期待される。 なお、本研究成果は10月18日公開の「iScience」誌にオンライン掲載された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/231107_pr.pdf |