2023年11月10日 |
名大など「イモリの腱の再生能力」発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:名古屋大学 |
名古屋大学、広島大学、酪農学園大学の共同研究グループはこのほど、イモリを用いて損傷した腱が完全に再生する現象と、そのメカニズムを人間に活かすためのヒントを世界で初めて発見したと発表した。 イモリは、四肢や心臓をも再生させる強い再生能力を持つことで注目されている。今回、私たちの日常で起きる腱の怪我をイモリで再現し、治癒の過程をマウスと較べることで、その再生能力を調べる、という研究を世界で初めて実施した。 ・ 私たちが腱を損傷した場合、現在は治療として損傷した部位を保存する、あるいは縫合や血小板投与、自家腱の移植などの外科的な処置が施される。しかし、いずれの方法でもアスリートであれば競技復帰までには数カ月を要し、また一度断裂した腱を完全に元通りにする治療法も確立されていない。 イモリは切断された腱をわずか3カ月(12週間)でその強度、剛性を健常な腱と同じレベルまで回復させることができる。またそれはマウスと比べてイモリの腱がシンプルな構造であることも分かった。 今後の研究から、アスリートに限らず一般人の腱の損傷を早期に回復させ、競技や日常生活に復帰させる医療技術開発への応用が期待される。 本研究成果は、国際雑誌「Journal of Orthopaedic Research」(23年11月6日付)に掲載された。 (詳細) https://www.hiroshima-u.ac.jp/system/files/219639/pr1106-01.pdf |