2023年12月18日 |
東北大、渦キャビテーション構造 解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院 工学研究科の祖山均教授と国際放射光イノベーション・スマート研究センターの矢代航教授らは15日、空間分解能と時間分解能に優れたX線高速度観察により、渦キャビテーションの構造を可視化観察することに世界で初めて成功したと発表した。 化学プロセスや金属材料の高強度化にキャビテーションを活用するためには、細長い渦キャビテーションの構造を解明する必要がある。 従来、渦キャビテーションは、多数の微小球状気泡で構成されていると考えられていたが、実際は比較的大きな角張った形状の気泡で構成されていることがわかった。 また、「渦」の重要なパラメータである、渦が回転しているときの接線速度を求めることに成功した。今後、発生メカニズムの解明や新たな数値シミュレーション法の開発などに寄与することが期待される。 本成果は12月3日に、超音波化学専門誌「Ultrasonics Sonochemistry」に掲載された。 ◆キャビテーション : 液体が高速で流れる際に、圧力が低下して気体(泡)に相変化する現象。流速の低下により気体から液体に戻る気泡の圧潰時に衝撃力や高温・高圧場を発生。乱れた流れ場に生じる渦中に発生する渦キャビテーションの場合、複数の気泡から構成されているために、気泡の相互干渉により圧潰衝撃力が増大すると考えられている。ラジカル反応を生じさせるなどの化学プロセスや、固体材料の表面をたたきつけ金属を高強度化することなどに活用される。 (詳細) https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/12/press20231215-01-cavitation.html |