2024年01月10日 |
東北大、パーキンソン病のエピゲノム病態解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
パーキンソン病は、65歳以上の100人に1人が罹患するという有病率の高い神経変性疾患だが、これまで同疾患の主役であるタンパク質「αシヌクレイン」については明らかにされてこなかった。 東北大学 医学系研究科神経内科学分野の菅野直人助教らの研究グループは9日、αシヌクレインが、エピゲノム環境を変化させ、神経細胞の機能維持を阻んでいることを明らかにしたと発表した。 実験細胞を用いて、エピゲノム制御が主として行われる核タンパク質の中からαシヌクレインと関連する因子を網羅的質量分析によって探索し、BAF複合体と呼ばれるヒストンリモデリング因子とヒストン修飾酵素PTMT5を同定した。これらの作用はαシヌクレイン存在下で増強し、ヒストン修飾を変容させて転写が抑制されることにより神経の恒常性が失われることが分かった。 本研究成果はαシヌクレインがもたらすエピゲノム変容に関して、αシヌクレインと直接結合する核タンパク質を出発点とした機構の最初の報告で、パーキンソン病関連疾患の病態解明に貢献する。今後の進行抑制治療薬開発に寄与すると期待される。 同研究成果は23年12月17日に生物科学誌「The FEBS Journal」のオンライン版に掲載された。 (詳細) https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20230109_03web_parkinson.pdf |