2024年01月11日
東北大「迷走神経は脳活動と連動する」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学大学院 薬学研究科の佐々木拓哉教授らの研究グループは10日、マウスを使い、迷走神経と、情動に重要な脳の前頭前皮質および扁桃体の活動がどのように関連するかを解析したと発表した。
 
 健常なマウスは、迷走神経の活動に対応して、不安の増減と共に変動するような前頭前皮質と扁桃体で見られる脳波パターンの強弱が明確に連動する。だが、精神的なストレスを負荷してうつ様状態になったマウスには、このような連動が観察されなかった。こうした病態生理変化は、迷走神経の電気刺激により、回復することが確認された。

 本研究成果は、私たちのこころの状態を正確に理解するために、脳だけでなく、迷走神経に着目することが重要であることを示唆している。このような考え方は、臨床研究において最近着目されている迷走神経刺激の治療法についても、新しい脳メカニズムを考察する契機になる。
 この研究成果は24年1月9日に科学誌「Nature Communications」に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2024/01/press20240110-02-stress.html