2024年01月16日
「光閉じ込め」可能なコロイド結晶作製成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 名古屋市立大学大学院 薬学研究科の山中淳平教授と東北大学 多元物質科学研究所の新家寛正助教 による、コロイド微粒子の会合による2次元ダイヤモンド格子の形成に関する研究成果が、英国王立化学会の専門誌「Soft Matter」誌に掲載された。

 マイクロメートルサイズのコロイド粒子が、ダイヤモンド格子状に配列した構造は、「光の閉じ込め」が可能な「フォトニック結晶」として働くことが知られており、現在その構築が世界で活発に検討されている。これまでに、複雑な表面構造を持つ粒子を使ったいくつかの構築法が提案されてきたが、簡便な作成法は報告されてこなかった。
 
 山中教授らは、新規手法(基板上での荷電コロイド粒子の交互積層)を用い、ガラス基板上に、3層からなる2次元的なダイヤモンド格子を作製した。また、高屈折率粒子を用いてこの2次元ダイヤモンド格子構造を作製したときに、3次元大型結晶の数10%程度の効率で「光の閉じ込め」現象が生じることを計算で示した。

 ポイントは、
(1)基板上での荷電コロイド粒子の交互積層により、ミクロンサイズの粒子の2次元的なダイヤモンド格子状構造を作製した
(2)得られたコロイド粒子のダイヤモンド格子は「フォトニック結晶」として応用が期待される
(3)高屈折率粒子を用いて本構造を作製したとき、3次元大型結晶の数10%程度の「光の閉じ込め」現象が生じることが、計算により示されたーの3点。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/
newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240115_04web_colloidal.pdf