2024年01月26日 |
東北大、管状組織支える骨格の仕組み発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学と理化学研究所の研究チームは25日、生物の管状組織を支えるリング状の細胞骨格が作り出される仕組みを解明したと発表した。今後、人工血管作製などへの医療応用が期待される。 研究チームは、ショウジョウバエ胚に直径数マイクロメートルの気管が形成される際、リング状の細胞骨格が等間隔に並ぶ蛇腹に似た細胞骨格パターンが現れることに注目した。最先端の顕微鏡でその過程を観察したところ、細胞骨格を構成するアクチン(繊維状のタンパク質)が、ナノスケールの集合体(ナノクラスター)を形成し、それらが融合することでパターンが作られることを発見した。 この過程に必要な分子を特定し、それらの性質を反映させたシミュレーションをコンピューターで行ったところ、細胞骨格パターン形成の全ての過程を再現できた。これらの発見から、管状組織を支える細胞骨格は、ナノクラスターの自発的な動きから生み出される(自己組織化)という結論に至った。これは、生体内に見られるさまざまな太さの管状組織形成に柔軟に対応できるシンプルかつ優れた仕組みであると考えられる。 本研究は、科学雑誌「Nature Communications」オンライン版(1月24日付)に掲載された。 (詳細) https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press0125_02web_cable.pdf |