2024年02月05日 |
北大など、129億光年先の銀河に分子ガス発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学、筑波大学、早稲田大学の研究チームは、129億光年かなたの銀河から、星の原料となる分子ガスの噴き出し(アウトフロー)を捉えることに成功し、それが初期宇宙の銀河の成長に大きな影響を与えていた強い証拠を世界で初めて発見したと発表した。 現代の宇宙では、星形成が不活発な巨大銀河の存在が知られているが、その原因として考えられている一つが、銀河からのガスの噴き出しだ。だが、これまでにアウトフローが観測された例はわずか2天体しかなく、その2天体も銀河の成長に影響を及ぼすほど強いものではなかった。 研究チームは、アルマ望遠鏡を使いこのクェーサーの分子ガスのアウトフローを「影絵」として検出することに成功した。影絵を詳しく調べたところ、星の材料となる分子ガスが銀河の外へ激しく噴き出していることが分かった。 その速度は毎秒1,500kmにも達し、流出している分子ガスは1年間あたり太陽質量の1,500倍に相当する莫大な量となっている。この流出量は銀河の中で新たに作られる星の量と比べて大きいこともわかった。研究チームは、この銀河から1000万年ほどで星の材料となる分子ガスが枯渇し、今後新たな星は作りにくくなると考えられる。同研究成果は、2月1日公開のアストロフィジカルジャーナル誌に掲載された。 <用語の解説> ◆クエーサー( Quasar ):非常に離れた距離に存在し極めて明るく輝いているために、光学望遠鏡では内部構造が見えず、恒星のような点光源に見える天体のこと。クエーサーという語は準恒星状 (quasi-stellar)に由来している。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240202_pr.pdf |