2024年02月06日 |
東北大、火炎と爆轟を理論的につなぐことに成功 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学 流体科学研究所の森井雄飛助教らの研究グループは5日、同研究グループが独自に導いた着火と火炎の等価性に関する理論を適用することで、反応波を「自着火反応波」として拡張し、火炎と爆轟(ばくごう)を理論的につなぐことに成功したと発表した。 燃焼は化学反応が可燃性気体の中を伝播する現象であり、それによって生じた波は音速未満の亜音速領域で火炎、超音速領域で爆轟として自己伝播することはわかっていた。だが、伝播速度が音速に近くなるとどのような条件で火炎から爆轟に遷移するかは解明されていなかった。この解明によって、自動車エンジンの高効率化の阻害要因であるノッキングの発生条件や、安全工学として重要な爆轟遷移条件を明確化できるようになった。 革新的な燃焼器の実現に向けて爆轟の適用が期待されているが、爆轟の持つ非定常性が実機開発を困難にしていた。しかし予混合気(燃焼させる可燃性気体と酸化剤を予め混合した気体)を爆轟速度よりも高速に流入させることで、「自着火反応波」が理論的に安定して存在する可能性が明らかとなった。数値計算によって、衝撃波構造を持たない安定した「自着火反応波」が形成されることも確認した。実機サイズの超音速燃焼でも火炎が定常にできることが示され、衝撃波が発生しない燃焼器の実用化に向けて大きく前進した。 同研究成果は1月18日、専門誌「Physics of Fluids」誌に掲載され、Editor's picksに選出された。 (詳細) https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240205_03web_flame.pdf |