2024年02月09日

三井化とマイクロ波化学、名古屋に実証設備完工

【カテゴリー】：行政/団体 【関連企業・団体】：三井化学

三井化学とマイクロ波化学（本社：大阪府吹田市、吉野巌社長）の両社は8日、三井化学名古屋工場内にマイクロ波を活用した革新的な炭素繊維（CF）製造の実証設備が完工し、1月から試運転に入ったと発表した。2024年度内のサンプル配布を目指す。 　マイクロ波化学は、実証設備導入にあたり、CF製造工程における耐炎化プロセスと炭化プロセスの両工程を一貫してマイクロ波で焼成する「 Carbon-MX 」技術による焼成ラインの機器一式を三井化学に供給し、三井化学は同技術を利用し全体プロセスを構築した。 　マイクロ波化学の技術は、対象を内部から加熱できるマイクロ波の特性を生かすことで、無駄な加熱を徹底排除した革新的なプロセス。従来法と比較し、加熱処理時間が大幅に短縮されるため、焼成プロセスのラインが短くなり、設備のコンパクト化が可能となる。また、装置自体の温度が高温にならないため、装置コスト、エネルギー消費、安全面でのメリットが見込める。 　 　両社の見込みでは、エネルギー消費量が約50％削減できる。将来的には電源を再生エネに変更することで90％以上のCO2排出削減が期待できる。 両社は、今後もLCA（Life Cycle Assessment）を通しバリューチェーン全体での低炭素化を目指し、産業界のカーボンニュートラル推進のニーズに応えていく方針だ。 【関連ニュースリリース】 ・2022 年5月9日付 「マイクロ波を活用した環境負荷の低い革新的な炭素繊維（CF）製造に関する基盤技術確立」 　https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2022/2022_0509/index.htm ・2022 年11月16日付 「三井化学、マイクロ波化学、三井化学名古屋工場内に革新的な実証設備の導入を決定」 https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2022/2022_1116/index.htm ニュースリリース参照 https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1707383578.pdf