2024年02月09日
積水化学、CO2からCOへ変換 ケミカル実証進む
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:積水化学工業

 積水化学工業は9日、NEDOの委託を受けて「カーボンニュートラル実現のためのCO2→CO変換ケミカルルーピング技術実証研究(EU)」を開始したと発表した。

 同社はこれまで、独自技術でCO2を高い転化率でCOに変換するケミカルルーピング技術の開発を進めてきた。2021年からスペインの鉄鋼大手、ArcelorMittal, S.A.(アルセロール・ミタル)のアストゥリアス工場で、製鉄の際に排出される実ガスを用いた試験を進め、昨年 6 月には CO2転化率90%および水素転化率75%という高い成果を収めた。

 CO2転化率および水素転化率が当初の目標以上に進展していることから、商用化に向けたスケールアップを視野に新たなプロジェクトを検討中だ。このほど、NEDOの23年度「脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業」第2回公募にも応募し、採択された。

 今後はさらにアルセロール・ミタルの製鉄所から排出されるCO2を、積水化学独自の変換ケミカルルーピング技術を用いてCOに変換し、高炉での還元剤としての直接活用、また国内外のパートナーが保有する技術も活用したCOのさらなる変換など、さまざまなCOの用途展開(CCU)について技術の実現性および経済性の検討を進め、CO2から、有望なCOの用途展開まで一連の技術実証を行っていく計画だ。
 実証研究では、CO2変換量のスケールを、従来のスペイン・アストゥリアス工場における試験時の1kg/日から10トン/日にスケールアップをする予定だ。

ニュースリリース参照
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1707458908.pdf

(参考)過去の関連リリース
■積水化学とArcelorMittalのカーボン・リサイクルに関するパートナーシップについて (2021年7月20日発表) https://www.sekisui.co.jp/news/2021/1364769_37322.html

■積水化学とArcelorMittal のカーボン・リサイクルプロジェクト、前倒しで目標達成 (2023年6月14日)
https://www.sekisui.co.jp/news/2023/1388996_40075.html