2024年02月14日 |
北大、ジャコウネズミは複数回日本に移入 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学低温科学研究所の大館智志助教らの研究グループは13日、琉球列島や長崎に生息する住家棲ジャコウネズミは、約3000年前に東南アジアから日本列島に複数回にわったって移入されたと発表した。 ジャコウネズミはいわゆるネズミ類(齧歯目)とは異なり、モグラなどの仲間(真無盲腸目)であるトガリネズミ科に属している。日本では琉球列島に生息し、かつては九州にも生息していた。ジャコウネズミは、元々は東南アジア大陸部や南アジアが原産地とされていますが、先史時代以降、人の移動に伴って分布域を広げ、現在では琉球列島、東南アジア、アフリカ東岸部まで分布している。だがその詳細な移動ルートや移動時期については不明だった。 今回、研究グループは、全ゲノムやミトコンドリア遺伝子配列の情報に基づいて、各地域の個体群の分岐年代や遺伝的多様性、交雑の可能性について検証した。その結果、琉球列島に生息する個体群はベトナムや中国南部などの東南アジア方面の個体と密接な関係にあることが判明した。また、ミトコンドリア遺伝子の系統に基づく推測から、琉球列島への渡来は約3,000年前である可能性が示唆された。これはオーストロネシア系の文化が南琉球に現れたとされる時期と一致する。この時期に船による人の移動や交易が行われていたことを示唆する興味深い知見といえる。 なお、同研究成果は1月30日公開の「Zoological Science」誌にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240213_pr.pdf |