2024年02月15日
北大「グリーンランド氷河湖の変動を解明」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学 低温科学研究所の杉山慎教授らの研究グループは、グリーンランドに氷河湖が生まれる頻度は氷河上の起伏や流動速度に影響を受けることが分かったと発表した。AI技術を用いて大量の衛星画像を解析し、氷河湖の位置や大きさなど形成と消滅を8年間にわたり高い精度で解析した。

 この結果、湖が生まれる頻度は氷河上の起伏や流動速度に影響を受け、流れが穏やかで表面が平坦な氷河では、より多くの湖が作られる傾向があること、また6月初旬から中旬にかけて雪や氷の融け水によって氷河湖が生まれ、その後8月下旬に消失する季節変化があることなどが明らかになった。湖の拡大規模は気候に影響を受けており、夏の気温が高くて融解が促進される年には総面積が拡大することも分かった。

 温暖化が進むグリーンランドでは、今後湖が拡大して氷河の融解を促進する可能性があり、融解水による海水準上昇を予測する上でも重要な成果となる。
本研究成果は24年1月26日付「Remote Sensing of Environment」誌にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/2024/02/ai-5.html