2002年03月07日 |
三井化学、PTAの3月の輸出価格交渉もほぼ決着 |
2月分よりさらに40ドルアップして500ドルに |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学 |
三井化学が7日に明らかにしたところによると、同社がかねてから中国のポリエステル繊維メーカー各社などとの間で進めてきたPTAの3月分の輸出価格交渉がほぼ決着の段階にきた。上海など主要港入りのCFR価格をトン当たり500ドルに引き上げることでユーザー各社の同意が得られる見通しがついたとしている。2月比で40ドルの値上げとなる。 同社のPTAの輸出価格の引き上げは2ヵ月連続となる。2月の納入分については、前月比20ドル引き上げて上海や香港渡し価格を460ドルに改めた。しかしそれでもなお昨年第4・四半期の平均を下回るレベルにすぎず、しかも原料パラキシレンの価格が続騰していることから、3月分もさらに40ドル引き上げることにして中国国内を中心とした各ユーザーと交渉を進めてきたもの。三菱化学も、同様に3月の輸出価格を2月比40ドル底上げすることにしている。 三井化学によると、アジア地域のPTAの需給バランスはここにきて明らかに改善の方向をたどり始めているという。昨年1年平均のバランスは、総設備能力が年産1,700万トンであったのに対して需要が当初の予想を大きく下回って前年比5%増の1,590万トンにとどまったと見られている。しかし今年は、最大の需要国の中国からの注文が年初から活発で、しかも同国の最近の経済情勢や在庫水準の低さなどから判断して、今年の同国の総輸入数量は昨年を20%ていど上回る公算がかなり高いというのが最近の同社の見方となっている。 三井化学では、こうした先行きの需給タイト観を踏まえて4月の輸出価格もさらに引き上げたいとしている。原料の続騰が避けられそうにないこともあって、最低でも30ドル、できれば50ドルの値上げを実現したい意向という。正式決定は来週となる。 |