2024年02月21日
東北大、インダゾールとカルボン酸 新合成法
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学生命科学研究科の佐々木誠教授らは20日、反応性の低い窒素求核剤とカルボン酸をワンポットで簡便に結合させる新規のアミド結合形成反応を開発したと発表した。この方法を応用して、インダゾールとカルボン酸の化学選択的ワンポットアミド形成反応を実現した。

 アミドは、生体分子や天然有機化合物、医薬品などの構造中に広く存在する重要な化学結合。そのためアミド結合形成のための方法はこれまで数多く開発されてきた。だが、インダゾールとカルボン酸とのワンポット縮合反応による直接的なアミド結合形成反応はこれまで報告例がなかった。
 この反応で合成できる生成物の中には、医薬品候補として期待されている有用な化合物群が知られている。そのため、インダゾールとカルボン酸を用いた直接的なアミド形成反応の新技術の開発が求められていた

 今回の成果は、インダゾールとカルボン酸を簡便かつシンプルにつなぐことができる強力な方法を提供するもので、創薬化学研究の貢献に大きく期待できる。
同成果は、有機化学専門誌「European Journal of Organic Chemistry」(2月14日付)にオンライン掲載された。

<用語の解説>
◆カルボン酸のワンポットアミド形成反応 :
 ワンポットとは、複数の反応を一つの反応容器で行うこと。効率性の観点から望ましい方法である。カルボン酸とアミンからワンポットでアミド結合を形成するには、カルボジイミドやウロニウム系の強力な縮合剤を用いるのが定法である。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240220_01_Indazoles.pdf