2024年02月26日 |
京大、高価な装置不要 細胞外小胞単離法開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学薬学研究科の松崎勝巳教授らの研究グループは26日、pH制御による細胞外小胞(EV)の新規単離法 (EV-CaRiS)を開発したと発表した。 EVは細胞から分泌される負電荷を帯びた直径50~200 nm未満の高度な曲率を有する脂質微粒子だが、重要な遺伝子やタンパク質を内包しているため、医学研究分野では重要な標的となっている。 EV-CaRiSは、溶液のpHに応じて電荷が反転する曲率認識ペプチド( NIC)を用いたEV単離法で、弱酸性pHではペプチドが正電荷を帯びてEVを捕捉し、弱アルカリ性pHでは負電荷に電荷反転することでEVがペプチドから解離し、夾雑物が共存する培地からEVを単離する。 今回、3種類のヒト細胞株からEV単離に成功し、既存手法の超遠心分離法と比べても1/3以下の時間で3倍高いEV収量が得られた。単離したEVは元来有する免疫活性や抗がん活性を示すことを確認、新規EV単離法の有用性を実証できた。今後、EVの捕捉基板を用いたイメージング技術や内包物解析技術への応用が期待できる。 本研究成果は2024年2月25日に、国際学術誌「Analytical Chemistry」にオンライン掲載された。 (詳細) https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2024-02/web_2402_Kawano_AnaChem_relj2-8b2e1c1af390c85bd43aa4ada438c902.pdf |