2024年02月27日

旭化成、水島で発がん性抑制セルロース

【カテゴリー】：経営 【関連企業・団体】：旭化成

旭化成は27日、結晶セルロース「セオラス」の粉体グレードで、亜硝酸濃度0.1ppm以下とする規格化を決定したと発表した。これに基づき今年7月から経口固形製剤における発がん性物質ニトロソアミン類の生成リスクを低減した医薬品添加剤を生産する。また、セオラス第2工場（岡山県倉敷市）も建設を終え、2024年1月から本格供給を開始した。 　昨今、原薬や製剤製造に用いる添加剤の品質や安全性に関心が高い。中でも原薬製造過程や製剤中に発がん性物質であるニトロソアミン類が生成する事象等が国内外で重大なリスクとして注目され、そのリスク低減が課題となっていた。 ＜ニトロソアミン類＞ 　近年、日本や米国、欧州、高血圧症治療薬に用いられるバルサルタン等から、発がん性物質であるN-ニトロソジメチルアミン等のニトロソアミン類が検出され、一部製品が自主回収されている。ニトロソアミン類は、2級・3級アミンを含む原薬製造に用いる原材料と、原薬や医薬品添加剤に不純物として含有する亜硝酸塩類が一部の製剤製造工程または製剤中に共存することが生成の一因であることが明らかになってきた。そのため、同社はこのニトロソアミン類の生成リスクを軽減する方法の1つとして、医薬品添加剤中の亜硝酸塩含有量を下げることが有効としてきた。 　 　水島工場は、2024年1月から製品供給を本格開始した。これにより、既存の東海工場（宮崎県延岡市）と2拠点供給体制を構築した。