2024年03月06日
信越化、医薬セルロース強化へ100億円投資
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:信越化学工業

 信越化学工業は6日、医薬用セルロース事業の強化のため、直江津工場(新潟県上越市)に医薬用添加剤である「Shin-Etsu AQOAT(酢酸エステルコハク酸エステル)」の生産能力を倍増すると発表した。2026年春完成の予定で、投資金額は100億円の見込み。

 同社の医薬用セルロースは、植物由来のパルプを主原料としており、人体に安全なことから錠剤のコーティング剤などとして広く用いられている。胃で溶けずに腸で溶けるよう設計された腸溶性製剤を実現するなど、薬が溶ける部位のコントロールも可能としている。薬の効き目を長く保つ機能も備えている。

 「Shin-Etsu AQOAT」は、同社が錠剤等の腸溶性コーティング剤として独自開発したもので広く世界展開している。近年は難溶性薬物(溶解性の低い薬物)を体内で吸収し易くする機能が注目され各国で需要が伸長している。引き続き需要の増加が見込まれるため、今回設備増強を決めた。