2024年03月07日
農工大、セラミックス材料 高精度モデル化
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:九州大学

 東京農工大学、九州大学などの研究グループは7日、人工知能(AI)の手法を活用することで、セラミックス材料の高精度な3次元ミクロ構造モデル化に初めて成功したと発表した。

 材料の研究開発にAI技術などをより容易に適用するには、材料の機能に密接に関わるミクロ構造をサイバー空間に再現する必要があった。

 今回研究では、自動運転や医療用画像処理にも用いられる深層学習を、電子顕微鏡により撮影した鉄系高温超伝導材料のミクロ構造画像に応用することで、複雑なセラミックス材料を世界最高レベルの精度でモデル化することできた。

 サイバー空間で実在の材料の複雑なミクロ構造を取り扱えるようになることで、材料を合成する際の構造制御モデルの高精度化や、これまで分からなかった機能発現のカギとなるミクロ構造部の「見える化」が数年以内に実現すると予想される。また、カーボンニュートラル化に求められる、よりエコな製造プロセス開発への貢献も期待できる。
 同研究成果は、3月5日に科学誌「npj Computational Materials」オンライン版に公開された。
 
ニュースリリース参照
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1055