2024年03月13日
大陽日酸、高効率インジェクター発売
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:大陽日酸

 大陽日酸は13日、電気炉製鋼プロセスで使用する高効率カーボンインジェクター「TSCi」の販売を開始したと発表した。顧客には吹き込みカーボン量や使用電力量などを削減でき、CO2排出量の削減に貢献する。

 電気炉製鋼プロセスにおいてカーボンインジェクターは溶鋼成分を調整する目的で多くの電気炉で使用されている。従来は、炉前からのパイプによる溶鋼直接吹込み方式だったが、近年は、安全性および作業負荷低減の観点から、炉壁吹込み方式が採用されている。だが、集塵ロスや炭素利用効率の低下が課題となっていた。同社は今回、これらの課題を解決するため、Tallman Technologies Inc.(カナダ)製の高効率カーボンインジェクター「TSCi」の販売を開始した。

 同プロセスで使用されるカーボンは、炉壁に設置された単孔ノズルを有するランスパイプにより電気炉内に吹き込まれる。しかしカーボンは吹き出し直後に減速・拡散し、集塵ロスや炭素利用効率の低下が課題となっている。

 TSCiはカーボンを搬送するノズル(トランスポート)と、速度減衰を抑制する環状ノズル(シュラウド)の2種の空気吹き出し口により、初速マッハ2で吹き出したカーボンの減速・拡散を抑制し、高効率な溶鋼への吹き込みを実現します。本技術は国内で使用される比較的粒径の大きいCDQコークスだけでなく、今後広く利用が見込まれるバイオコークスに対しても高い吹き込み能力を発揮する。日本ではCDQコークスを多く用いる電気炉ユーザに向けて機器の摩耗対策を実施しており、その有効性も確認済みだ。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1710309951.pdf