2024年03月15日
出光興産、ナフサ分解炉の燃料にアンモニア
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:出光興産

 出光興産は15日、徳山事業所(山口県周南市:三品鉄路所長)のナフサ分解炉の燃料にアンモニアを使用する実証を2月6日~8日に実施し、アンモニア燃焼が可能であることを確認したと発表した。商業用ナフサ分解炉での燃料アンモニアの燃焼は国内で初めて、世界でも先進的な試みとしている。

 同社は、2050年のカーボンニュートラル社会実現に向けて燃料アンモニアなどの次世代のエネルギーの社会実装に取り組み中だ。2023年4月に「石油供給構造高度化事業費補助金」の採択を受け、徳山事業所では、アンモニアの貯蔵タンクや配管などの中間供給設備およびナフサ分解炉等にアンモニア導入のための工事を進めてきた。今年2月にこれらの設備が完成し、燃焼実証を行ってきた。

 燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、エネルギーキャリアや発電・工業ボイラー用の新燃料として注目されている。だが、アンモニアは化石燃料と比較して発熱量が低く、着火性にも劣る。また、燃焼時に発生する窒素酸化物の抑制も必要となるなどの課題があった。

 今回同社は、操業中のプラントを利用したアンモニアの燃焼実証を、燃焼排気ガス中の窒素酸化物を低減させるための脱硝設備を装備していないナフサ分解炉で実施し、アンモニア専用バーナーの採用や燃焼制御等により、窒素酸化物が環境規制値以下であることを確認した。また、化石燃料と遜色ない燃焼性を確認するとともに、操業への影響もないことが確認できた。
 
ニュースリリース参照
https://www.idemitsu.com/jp/news/2023/240315.html