2024年03月18日
三菱ケミ「ニチゴーGポリ」欧州で再生認証
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三菱ケミカルグループ

 三菱ケミカルグループは18日、ポリビニルアルコール( PVOH )の 特殊銘柄 ニチゴーGポリマーの代表グレードであるBVE8049Pが、欧州のリサイクル認証機関であるInstitute cyclos-HTP GmbH(cyclos-HTP)から、リサイクル可能な素材として認証取得したと発表した。

 ニチゴーGポリマーは、水溶性、ガスバリア性、溶融成形性に優れた生分解性のビニルアルコール系樹脂で、水に溶かしてフィルム上にコーティングすることもできるバリア材料。これらの特長を生かして、乾燥食品用のバリア包装材や生分解性樹脂との組み合わせによる生分解性バリア包装材などに使用され、食品の風味や品質を長持ちさせることでフードロス削減に貢献するとして、欧州を中心に需要が拡大している。一方で、資源循環の観点から素材のリサイクル性が求められており、包装材として広く使用されるポリエチレンなどの樹脂のリサイクルに影響を与えないバリア材料の要求が高まっている。

 今回の評価では、同グレードの含有率が5wt%以下であればリサイクルが可能との結果が得られた。一般的にPVOHは、ポリエチレン系多層包材においてリサイクルに適さない素材とされてきたが、今回の認証取得で、同樹脂がリサイクル性に優れたバリア材料であることを示した。フードロス削減だけでなく、資源循環にも貢献する素材であることをあらためて裏付けた。

 なお同社は、需要拡大に応えるため、ニチゴーGポリマーを含むPVOH特殊銘柄について、2024年10月から岡山事業所(岡山県倉敷市)に新プラントを稼働し、生産能力を現行の約2倍に増強する予定だ。


<ニュースリリース参照>
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1710738702.pdf