2024年03月21日
日揮と東北大「骨の再生材料」量産化成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:日揮

 日揮ホールディングスは、グループ会社の日本ファインセラミックス(=JFC:宮城県仙台市、田中宏社長)が、骨の再生能力に優れ、生体吸収性が高い「リン酸八カルシウム(OCP)について、このほど世界で初めて量産化成功し、医療機器メーカーとの協業を目指してサンプル出荷を開始したと発表した。

 高齢化が進む日本では現在、骨折や関節の変形、骨粗鬆症など、骨関節疾患に罹患した患者数が増加し、優れた骨再生材料のニーズが高まっている。
 JFCは、東北大学歯学部の鈴木治教授らの「骨の再生再生医療」研究に着目し、同研究成果の社会実装化を加速させようと、OCPの量産化について共同研究開発を進めてきた。
 
 その結果、同教授らは、OCP が持つ高い骨再生能力や優れた生体吸収性を見出し、同年に局所的に合成できかつ連続合成可能な反応管によるベンチスケールレベルでの合成手法を開発、さらにバッチ式晶析法による安定した合成方法(数 g/バッチ)を確立した。だがそれ以上のスケールアップは難しかった。 

 JFCは今回、連続晶析プロセスによるOCPの生産工程を確立した。生産能力は1時間当たり170 gと飛躍的に向上した。需要動向次第でさらなるスケールアップも可能だ。同社は今後、医薬品・医療機器製造会社との協業を通じて、OCPの製品化を目指す。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240319_06web_ocp.pdf