2024年03月22日
東北大、地震による都市被害を瞬時に予測
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学災害科学国際研究所と日本工営の共同研究チームは22日、地震計観測網を活用し、地震発生時に都市全体の建物被害を瞬時に予測できる技術を開発したと発表した。

 まず、事前(災害発生前)に、対象となる都市全体に関する地震シミュレーションを実施する。断層から地中を通って地表面まで到達する地震う動の伝播と、地表面の振動による、全ての建物の揺れをシミュレーションによって計算し、被害の程度を数値で表す。さらにこの計算を多数のケースで実施し、その結果をデータ科学技術で分析して、都市の建物被害の空間特性を把握しておき、実際に地震が発生した際は、この事前に把握しておいた空間特性と、既存の観測網から得られた少数の建物の振動データを組み合わせ、都市全体の建物被害を瞬時に予測することを可能にする。

 地震の発生前および発生後に都市全体の被害状況が予測できれば、都市の防災および発災後の緊急支援・応急復旧に役立つ。例えば、「この都市のどの地域で被害が大きいか」「避難所や病院などの重要施設の被害状況はどうか」などが推測できる。「観測網強化のため地震計の設置場所」なども明確になるとしている。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press0321_01web_earthquake.pdf