2024年03月25日 |
東北大、ナノ大アンテナで光強度を1万倍増強 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
持続可能社会の実現には、エネルギー問題の解決が不可欠。その方法論の一つとして、太陽光エネルギーを化学資源に変換する「人工光合成」に期待が集まっている。だが、太陽光が単位時間あたりに単位面積を通過する光子の数であるエネルギー密度(光子束密度)は低く、複雑な反応の実現は困難だった。 東北大学多元物質科学研究所の中川勝教授らの研究グループはこのほど、一般的な放送衛星(BS)からの受信用アンテナの100万分の一という極めて微少なサイズのパラボラ型の金属反射面と半導体で構成される、光ナノ共振器を開発し、可視光を捕集して金属ナノ粒子に集めることで光強度を4桁(10,000倍)増強できることを、電磁界シミュレーションを用いて解明したと発表した。 局所的に光の強度を増大させると、そこで生成する電子と正孔の数も増大する。その結果、従来は困難とされてきた窒素の還元によるアンモニアの製造や、二酸化炭素の還元による炭素化合物の製造など、多電子反応を推進する新たな光化学反応場として開発した光ナノ共振器の活用が期待される。 本成果は、科学誌「The Journal of Physical Chemistry」(3月14日付)オンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240322_01_parabolic.pdf |