2024年03月25日
トクヤマ、太陽光パネルカバーガラス再生へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:トクヤマ

 トクヤマは25日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同開発中の「太陽光パネル低温熱分解リサイクル技術」を用いて分離処理した太陽光パネルのカバーガラスを、AGCのフロート板ガラス向けリサイクル実証試験に供給したと発表した。AGCは3月18日に同社鹿島工場フロート板ガラス製造窯で実証実験を行った、トクヤマが供給したカバーガラスを原料とし、日本で初めて、フロート板ガラスへのリサイクルに成功した。

 太陽光パネルは耐用年数が 20~30年とされ、2030年代後半から年間数十万トンのパネルが廃棄される見込み。このうちカバーガラスは重量全体の約6割を占めており、産業廃棄物として埋め立て処理されることによる深刻な環境負荷が懸念されている。

 トクヤマは、2019年11月に「太陽光モジュールリサイクル実証試験施設」(北海道空知郡南幌町)を設置し、廃太陽光パネルを構成する部材を高品質に処理、抽出する技術を確立した。現在、さらにマテリアルリサイクルの可能性と事業化にむけ、ビジネスモデルを構築中だ。将来的に、生産量の多いフロート板ガラスが、廃棄カバーガラスの水平リサイクルの受け皿となることが期待されている。

 トクヤマグループは、中計2025「事業ポートフォリオ転換」の中で環境事業分野への注力を掲げており、今後も、太陽光パネルのサーキュラーエコノミー実現の一翼を担っていく方針だ。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1711340577.pdf