2024年03月26日 |
産総研、微生物プラの海水中生分解促進 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:科学技術振興機構 |
産業技術総合研究所マルチマテリアル研究部門の今井祐介研究グループ長らは26日、神戸大学、カネカと共同で、ポリ乳酸が抱えるもろさと生分解性の課題を、微生物で生合成される乳酸と3-ヒドロキシブタン酸の共重合体(LAHB)をブレンドすることによって克服したと発表した。 ポリ乳酸は、ポリプロピレンやPET樹脂と同程度の物性を有し、透明性、生体適合性などの特徴を有しているため、バイオ資源由来プラスチックとして利用拡大が期待されているが、力学的にもろい、生分解性が限定的などの課題があった。 今回、LAHBをポリ乳酸にブレンドすることで、ポリ乳酸の伸びの大幅な改善に成功した。また、LAHBのブレンドによりポリ乳酸の海水中での生分解が促進されることを見いだした。 遺伝子組換え大腸菌により糖類から生合成されるLAHBをポリ乳酸の改質材に用いた。ポリ乳酸にさまざまなLAHBをブレンドしたフィルム試料を作製し、引張り試験により力学特性を評価するなどした。 なお、詳細は「International Journal of Biological Macromolecules」(3月19日付)にオンライン掲載された。 |