2024年03月28日 |
帝人・慶応大など、新型コロナ抑制にイヌリン |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:慶応大学 |
帝人は28日、検査薬ベンチャーのメタジェン(本社:山形県鶴岡市、福田真嗣社長)および慶應義塾大学先端生命科学研究所、東京大学医科学研究所と共同で、ハムスターを使いイヌリンの摂取が新型コロナウイルス感染死を有意に抑止できることを明らかにしたと発表した。 研究チームは、ハムスターを通常食と5%イヌリン添加食を摂取させる群に分け、摂取2週間後に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を経鼻感染させた。その結果、コントロール群では感染10日後の生存率が60%であったのに対して、5%イヌリン添加食を与えたハムスターでは、生存率が100%だった。 また5%イヌリン添加食を摂取させたハムスターの便中および血清中では、腸内細菌叢由来の二次胆汁酸であるデオキシコール酸の量がコントロール群と比べて有意に高い値を示した。 デオキシコール酸が新型コロナウイルス感染症の重症化を抑制することは、東大医科研の一戸准教授らの研究で明らかになっていたが、今回、イヌリンの摂取により、腸内細菌叢由来の二次胆汁酸であるデオキシコール酸の産生量が増加したことで、コントロール群と比較して有意に生存率を改善できることが動物試験で明らかとなった。両社は今後もイヌリンを含むプレバイオティクスに関する新たなエビデンスを取得し健康社会の構築に貢献していくとしている。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/t |