2024年04月05日
積水化、浮体式ペロブスカイト太陽電池 実証開始
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:積水化学工業

 積水化学工業は5日、エム・エム ブリッジ(本社:広島市、池浦正裕社長)と、恒栄電設(本社:東京都北区:小林永治社長)と3社で、フィルム型ペロブスカイト太陽電池をプール上に設置するための共同実証実験を東京で4月3日から開始したと発表した。

 2050 年の脱炭素社会実現に向けてエネルギーの脱炭素化が求められるなか、フィルム型ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟という特長から、従来のシリコン系太陽電池では設置が難しかった場所への設置が可能となり、再生可能エネルギーの導入量を拡大できる有力な選択肢として期待されている。

 積水化学は、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、フィルム型ペロブスカイト太陽電池開発の肝といわれる屋外耐久性において 10 年相当を確認し、30cm 幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築しました。さらに、同製造プロセスによる発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功しており、さらなる耐久性や発電効率の向上、1m 幅の製造技術の確立に向けて開発を加速させている。

 エム・エム ブリッジは、橋梁及び沿岸構造物の設計、製造、設置、維持補修を一貫して手掛ける総合エンジニアリング会社。社会インフラを支える企業として、SDGsと2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを積極的に進めています。その一環として、沿岸構造物における防食技術を応用したサンゴ礁再生プロジェクトや波力発電技術の開発など、独自の環境保全活動及びクリーンエネルギー開発に取り組んできた。
 前身の三菱重工業から継承した浮体の構造設計や係留方法などのノウハウを活かすことで、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を水上及び洋上に導入できると考え、浮体式ペロブスカイト太陽電池の設置に向けた共同実証実験に取り組むことになった。

 恒栄電設は、国内太陽光発電設備の所有や自社建屋における太陽光発電設備の導入等、脱炭素に向けた取り組みを積極的に行ってきた。東京都北区が宣言している2050年 CO2排出量実質ゼロを目指す企業として、「地産地活」をテーマに CO2削減達成の構想を提案している。測定データ要素や負荷制御のカスタマイズ性を有する同社開発の計測制御システムを導入することで、浮体式ペロブスカイト太陽電池の設置実験に有用なデータ取得が可能と考え、共同実証実験に取り組む。浮体式ペロブスカイト太陽電池の実証実験は国内では初めて。
 
ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1712300390.pdf