2024年04月12日
富士フィルム、北米に1800億円の大規模投資
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:富士フイルム

 富士フイルムは12日、バイオ医薬品の開発・製造受託事業を拡大するため、バイオ医薬品 CDMOの中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies( FDB )の北米拠点に約 1,800 億円(12 億ドル)の大規模投資を行うと発表した。
 FDB が現在、ノースカロライナ州に建設中の新拠点に追加投資し、抗体医薬品の原薬製造設備を大幅増強する。増強設備は2028年稼働予定。
 
 抗体医薬品市場は、抗体薬物複合体(ADC)や、バイスペシフィック抗体を用いた次世代型の需要拡大も加わり、年率8%の成長が見込まれている。同社は、抗体医薬品の生産能力の大幅増強に向けて20,000リットルの動物細胞培養タンクを設置中。現在、デンマークでは稼働中のタンク6基に加えて14基、ノースカロライナでは8基を設置中だ。

 高い生産性と各種認証取得実績をもつデンマーク工場と、設計・設備を共通化し、他拠点に展開するアプローチ (KojoX)による設備増強で、拠点間の迅速な技術移管を実現する。建設リードタイムの短縮化を図る。

 今回、同社は現在8基のタンクを建設中のノースカロライナ新拠点に、さらに20,000リットルの動物細胞培養タンク8基を導入する。これにより、同拠点のタンク数を16基に拡大する。北米でのバイオCDMO製造拠点として最大級の原薬生産能力を有することになる。

 また、ノースカロライナ新拠点は、原薬製造から製剤化・包装までを一貫して受託できる拠点とする。さらに、現地で使用する全てのエネルギーを、再生可能天然ガスや太陽光発電、バーチャルPPA導入による12.5万MWh/年の再エネ電力証書の購入で相殺し、実質的にCO2排出ゼロを実現する。なお、ノースカロライナ新拠点は、米国グリーンビルディング協会(USGBC)により、建物の環境性能を評価する世界的な認証制度であるLEEDゴールド認証を取得する見通しだ。

ニュースリリース
・北米拠点に約1,800億円の大規模投資を決定
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1712887540.pdf

・Fujifilm to Invest Additional $1.2 Billion to Expand its Large-Scale Cell Culture CDMO Business …
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1712887540.pdf