2024年04月23日 |
北大、下水汚泥焼却灰からリンを選択的に回収 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学大学院の坪内直人准教授(工学研究院)らの研究グループは22日、下水汚泥の焼却灰を、塩素ガス中で加熱(塩素化処理)した後、固体残渣に炭素粉末を加えて再塩素化処理するのみの単純なプロセスにより、リンを塩化リン形態で高効率・高選択的に分離回収することに成功したと発表した。塩化物の沸点差を利用することで下水汚泥焼却灰からのリンの選択的回収に成功した。 塩化リンは工業原料に用いられており、リン酸も肥料を含む様々な製品の原料として使用できる。 リンの回収はこれまでも湿式法や乾式法などが検討されてきたが、前者はプロセスが複雑化かつ大型化し、また、廃液処理が必要なため設備コストが高くなること、後者はエネルギー効率やリン回収率が低いことが問題だった。そのため、シンプルなプロセスを用い、温和な条件でリンを効率よく分離回収できる下水汚泥焼却灰処理技術の開発が強く望まれていた。 今回開発した手法は、家畜排泄物や下水汚泥の炭化物、下水処理回収物、工場排水スラッジ、製鋼スラグなどにも適用できる。今後は、二次リン資源の性状変化などにも対応可能な新しいリン回収技術となるプロセス開発につなげる。 なお、同研究成果は4月20日、「Resources, Conservation and Recycling」誌にオンライン掲載された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240422_pr.pdf |