2024年05月09日
東レ、猫慢性腎臓病治療薬、欧州で治験開始
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは9日、猫慢性腎臓病治療薬「ラプロス」について、欧州で国際共同治験を開始したと発表した。
 猫の慢性腎臓病は、腎機能の低下に伴って食欲不振や体重減少などの症状が現れ、最終的には死に至るリスクのある疾患として知られる。長年、治療ニーズを十分に満たせない状況が続いていた。
 同社は、2017年に日本で同剤の製造販売承認を取得し、これまで共立製薬(東京都千代田区、髙居隆章社長)を通じて販売してきた実績を有する。
 猫の腎機能低下に対する抑制効果が認められた初めての動物用医薬品で、2022年度の国内市場に占めるシェアは約70%と高い。
 東レは今回、欧州での製造販売承認の取得を目的に治験を行っており、慢性腎臓病の猫患者300頭を対象としたプラセボ対照無作為化比較試験によって、182日間投与の安全性と有効性を検討する計画。2026年中に欧州で製造販売承認に関する申請を行う予定だ。米国および中国を含む他地域での国際展開も並行して推進していくとしている。