2024年05月27日
能登半島地震、学術研究船「白鳳丸」が報告
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 (国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学地震研究所など9大学の研究機関は24日、能登半島地震の震源やメカニズムについて調査していた、学術研究船「白鳳丸」による第一次・第二次海底地震調査結果(速報)を発表した。

 調査は今年1月から2月にかけて、海底地震計26台を使い、観測データを回収・分析した。陸上の観測網で同時に観測された地震(余震を含め約600回)データとともに解析を行った。

 能登半島北東沖の地震活動については、観測点が存在しないため詳細な震源分布などは不明だったが、これまでの解析結果から、沿岸付近では深さ10km程度の深さまで地震が発生しているのに対し、沖合では深さ16km程度とより深部で活動が見られたことが明らかとなった。

上記の結果は、これまで陸上の観測データから推定されていた震源(気象庁一元化震源)よりも、実際には10kmほど浅い場所で発生していることを示している。
また、震源メカニズムについては、令和6年1月1日の本震と同様に北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型メカニズムによる地震に加え、横ずれ型のメカニズムで発生した地震も多く発生していたことが分かった。

 今年6月以降さらなる調査を実施し、観測データを追加して詳細な解析を行う。これまでの調査結果については既に地震調査研究推進本部地震調査委員会や石川県防災会議震災対策部会等で報告済みだが、日本地球惑星科学連合2024年大会(令和6年5月26日~31日)でも発表する。

なお、「白鳳丸」による第二次調査は、文部科学省科学研究費補助金(特別研究促進費)の支援を受けて実施した。

(詳細)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press0524_04web_hakuhomaru.pdf