2024年06月10日 |
東北大、皮膚がんに有効な新規医薬品 開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
皮膚の色素細胞ががん化した悪性黒色腫(メラノーマ)に対する治療は、これまで抗体であるオプジーボとヤーボイの併用療法が用いられてきたが、その安全性・有効性には多くの課題があった。 東北大学医学部皮膚科の藤村卓准教授らの研究グループはこのほど、同大学で開発した新規医薬品PAI-1阻害薬(TM5614)がメラノーマにおいて、免疫チェックポイント分子発現を阻害して抗腫瘍免疫を増強することを発見したと発表した。 研究グループは、2021年9月から2023年3月にかけて、抗PD-1抗体が無効の進行期メラノーマ34例に対し、オプジーボとPAI-1阻害薬TM5614の安全性・有効性を検討する第2相治験を実施した。その結果、最終解析では奏効率が25.9%(PPS)となり、主要評価項目を達成した。また、未知の有害事象は認められず、重症の有害事象も7.7%と標準療法と比較して低い数値だった。本研究により、オプジーボとPAI-1阻害薬(TM5614)の併用療法が抗PD-1抗体無効例に対する新たな治療選択となりうる可能性が示唆された。今後、薬事承認と商業化を目指した治験をさらに行う予定だ。 本研究成果は、2024年6月4日「British Journal of Dermatology」誌に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240607_01web_melanoma.pdf |