2024年06月10日 |
京大、新型コロナ株、東南アジア由来の公算 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学iPS細胞研究所の高山和雄講師らの研究グループはこのほど、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に近縁なコロナウイルスであるBANAL-20-236株(B236株)が、東南アジアのコウモリ由来のウイルスであることを突き止めたと発表した。 研究グループは、B236株の培養細胞やヒトオルガノイドにおける感染性、ハムスターにおける病原性について、SARS-CoV-2やその変異体と比較し、明らかにした。B236株は、SARS-CoV-2と比較して、ヒト気道上皮細胞では増殖能が低い一方で、ヒト大腸オルガノイドでは増殖能が高いという組織指向性があることが示された。 また、ヒト呼吸器細胞モデルや大腸オルガノイドでの細胞実験により、B236株はSARS-CoV-2と比較して、ヒト気道上皮細胞よりも大腸オルガノイドへの指向性を持つことが示された。ハムスターモデルを用いた感染実験では、B236株はSARS-CoV-2に比べて病原性が低いことが示された。 本研究成果は6月4日、英国科学雑誌「eBioMedicine」オンライン版で公開された。 <用語の解説> ◆SARS-CoV-2関連コロナウイルス : SARS-CoV-2と系統的に近縁なウイルスのこと。中国およびカンボジア、ラオスといった東南アジアの国々の野生動物から多く発見されている。これらの国々から見つかるウイルスと比べるとSARS-CoV-2と遠縁ではあるが、日本のコウモリからもSARS-CoV-2関連コロナウイルスが検出、分離されている。 (詳細) https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/240606-140000.html |