2024年06月10日

東ソー、低濃度CO2からポリカ・ウレタン原料合成

【カテゴリー】：行政/団体 【関連企業・団体】：東ソー

東ソーは10日、産総研触媒化学融合研究センターと共同で、火力発電所などからの排ガスに含まれる常圧・低濃度CO2からジエチルカーボネートを合成する触媒反応技術を開発したと発表した。ジエチルカーボネートはポリカーボネート樹脂やポリウレタンの原料、電解液、塗料などに用いられる。 　 　従来のケイ素反応剤を利用したジエチルカーボネート合成は、収率を高めるために高純度のCO2を用い、さらに数MPａ程度まで加圧する必要があった。このため高圧・高純度のCO2を得るために火力発電所などから排出される低濃度CO2の分離、精製や、圧縮する工程にコストトエネルギーを要するなどの課題があった。 　 　研究チーム今回、エタノールと有機強塩基を用いたCO2の化学吸着によりエチル炭酸塩を形成させる反応を組み込むことで、排ガスに含まれる体積比15％程度のCO2や、常圧下でのCO2を利用したジエチルカーボネートの合成に成功した。 　 　これにより、低濃度CO2を分離するための精製や圧縮工程の簡略化が実現し、コストとエネルギーの削減が可能となる。また、加圧設備を必要とせずにCO2を資源化できるため、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。 　同技術の詳細は「ACS Omega」に掲載された。 　 ニュースリリース参照 https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1718002340.pdf