2024年06月11日 |
北大、モンゴル永久凍土 過去30年分復元 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学地球環境科学研究院の石川守准教授らの研究グループは10日、モンゴルに広がる永久凍土について、過去30年分の変遷状況を高解像度で復元し、急速に進む温暖化と北極陸域の将来の姿、永久凍土の特性などを解明したと発表した。 1986年から2016年までの変遷状況を高解像度で復元した。その結果、永久凍土はウランバートル周辺の森林地帯、中央部のフブスグールやハンガイ山脈、西部アルタイ山脈など、国土全体の約30%に分布していることが分かった。中央部の乾燥地域や山岳域では永久凍土温度が顕著に上昇し、活動層も厚くなる傾向がみられた。森林地帯では温度や活動層の厚さに目立った変化はなかった。 森林は日射を遮蔽し地中の昇温を抑える一方、永久凍土が保つ湿潤土壌に依存して成立している。このような永久凍土と森林間の共生関係に関する知見は、シベリアに広がるタイガ林の現状や将来像の予見に役立つ。さらに、今回研究グループが作成した高い解像度の永久凍土温度分布変遷図は、近年顕在化してきた森林や湧水の劣化メカニズムの理解に大きく貢献する。 本研究成果は、5月29日公開の「Permafrost and Periglacial Processes」誌に掲載された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240610_pr2.pdf |