2024年06月19日 |
九大、地球の歴史を調べる化石研究法開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:九州大学 |
九州大学大学院理学研究院の尾上哲治教授の研究グループは18日、肉眼では見えない放散虫化石を安全に岩石から取り出す手法を開発したと発表した。 フッ化水素酸に代わる薬品として、低濃度(4%)の水酸化ナトリウム溶液を用いて、チャートと呼ばれる岩石から放散虫化石を取り出す手法を開発した。この方法は、従来のフッ化水素酸による方法と比較して、より保存状態の良い放散虫化石を岩石中から取り出すことができる。 4%の水酸化ナトリウム溶液は、フッ化水素酸に比べて格段に取り扱いが容易であり、これまでフッ化水素酸を使用できなかった教育機関や資源関連の産業界でも、放散虫化石の研究利用が可能になる。 本研究成果は2024年6月17日公開の「Scientific Reports」誌にオンライン掲載された。 <用語の解説> ◆フッ化水素酸 フッ化水素の水溶液であり、化学式HFで表される。珪酸に対して強い腐食性がある。毒物及び劇物取締法において毒物に指定されており、法令により厳しい管理と使用方法が求められる。 ◆放散虫 放散虫とは、海生の動物プランクトンであり、原生動物の一群。大きさは、0.1?0.5ミリ程度。珪酸質な骨格を持つことから化石になりやすく、カンブリア紀から現代までの広い時代範囲でみつかる。さまざまな時代で示準化石として利用されている。 (詳細) https://www.kyushu-u.ac.jp/f/57603/24_0613_01.pdf |