2024年06月21日 |
東北大、代謝や食欲を制御するペプチド解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学と東京大学の共同研究グループは、内在性ペプチドQRFPによって活性化したQRFP受容体(GPR103)と三量体Gタンパク質Gq とのシグナル伝達複合体の立体構造をクライオ電子顕微鏡による単粒子解析によって決定したと発表した。代謝や食欲調節に関わるペプチドホルモン「QRFP」が結合した、QRFP受容体GPR103とGqタンパク質三量体との複合体構造の解析に成功した。 QRFPはペプチドホルモンであり、受容体であるGPR103を活性化することで、エネルギー代謝や食欲の制御に重要な役割を果たす。だが、どのように活性化するのかのメカニズムは不明だった。 研究グループは、今回、決定した構造を基に、QRFPの結合様式と受容体の活性化メカニズムを明らかにした。QRFPは独特の結合様式とダイナミクスを持ち、高い親和性で受容体と結合できることがわかった。この研究成果から、QRFP-GPR103システムを標的とした、より効果的で安全な治療薬の設計が可能となり、代謝および食欲障害の治療薬開発への貢献が期待できる。 <用語の解説> ◆単粒子解析 :多数の均一な粒子を観察、撮影し、画像処理によって粒子の詳細な構造を得る手法。単一の撮影像よりも分解能を向上させることができる。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press0620_01web_QRFP.pdf |