2024年06月24日 |
産総研、近大など「魚の病気」フンで発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
産業技術総合研究所(産総研)バイオメディカル研究部門の竹内美緒主任研究員らは、理化学研究所、近畿大学農学部と共同で、冷水病に感染した魚のフンにさまざまな特徴的物質・微生物を発見し、これらを病気の早期発見のためのバイオマーカーに利用できることを明らかにしたと発表した。 近大の魚類感染実験技術を用いて、フン中の代謝物と微生物遺伝子を網羅的に解析し、水槽中にたまったフンに含まれる冷水病菌感染魚に特徴的な代謝産物と微生物の特定に成功した。 アユやニジマスで世界的に深刻な冷水病は、ワクチンでの予防が困難なため早期診断が重要だが、フンを用いて、従来のように魚の組織を採取することなく非侵襲で診断できる。定期的に健康診断も可能となる。 今回技術はそれに利用できる複数のバイオマーカー候補を提案する。将来的には、冷水病のみならずさまざまな魚の早期魚病検出・簡易健康診断に利用できると見込んでおり、魚病による経済的な損失や環境負荷の低減に貢献する。詳細は、6月17日に「mSphere」に掲載された。 <用語の解説> ◆冷水病 :フラボバクテリウム サイクロフィラムによるアユやニジマスの感染症で、予防法がないため世界的に問題となっている。アメリカで発生した魚病だが、日本でも1985年頃から問題化している。 |