2024年06月25日
東北大、分子まぶしてスーパーキャパシタ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 電気二重層キャパシタは、電極の表面に電気を蓄えることで素早く充電や放電ができるため、高出力のエネルギーデバイスとして注目されているが、蓄電池と比べて容量が小さいという課題があった。
  東北大学 材料科学高等研究所の藪浩教授らの研究グループは25日、青色顔料の一種である鉄アザフタロシアニン(FeAzPc-4N)を活性炭に「まぶす」ことで分子レベルで吸着させ、その酸化還元能を活用することにより、炭素のみの場合に比べ容量を2.6倍(907 F/gAC)まで増加させることに成功したと発表した。
 さらに20 A/gACという高負荷領域でも20,000回の充放電サイクルが可能であり、LED点灯などが可能であることを実証した。
  今回開発されたキャパシタ電極は、一般的に入手可能で安価な活性炭を使用しながら、CNT等を用いたスーパーキャパシタ並に容量を引き上げることが可能であり、様々な用途へのエネルギーデバイスとして応用が期待される。
  同研究成果は、米国科学誌「ACS Applied Materials Interfaces」(6月20日)オンライン速報版に掲載され、同誌のSupplementary Coverにも採用された。