2024年07月03日 |
北大、熱トランジスタの高性能化に成功 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学電子科学研究所の太田裕道教授らの研究グループは2日、大阪大学のチームと共同で、熱トランジスタの高性能化に成功したと発表した。熱電導率制御幅を従来比1.5倍拡大させた。 近年、電気的に電流の流れやすさを切替える電界効果トランジスタと同様に、電気的に熱流の流れやすさを切替える熱トランジスタが熱制御技術の一つとして注目されている。 電子や光のように、熱を自在に操ることができるようになれば、課題である廃熱の有効利用が可能となる。研究グループは、2023年2月に世界初の全固体熱トランジスタを実現したが、熱伝導率制御幅が2.85 W/mKしかなく、幅広い熱流制御には適していなかった。 今回研究グループは、電気をよく通す物質ほど熱流もよく通すという現象を熱トランジスタに適用した。熱伝導率制御幅を1.5倍の4.3 W/mKに拡大し、熱トランジスタを高性能化することに成功した。将来の熱制御技術の実現に向けて大きく前進したとしている。 なお、同研究成果は2024年6月26日公開の「Advanced Science」誌に掲載された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240702_pr2.pdf |