2024年07月03日

レゾナック、EV向け高性能ブレーキパッド開発

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：レゾナック

レゾナックは2日、電気自動車(EV)に搭載する電動ブレーキシステムへの採用を見据えたノンアスベスト系摩擦材(NAO 材)の高性能ディスクブレーキパッドを開発したと発表した。ガソリン車に比べて車体重量が重いEVでの使用環境下で、高い制動力と耐摩耗性を発揮する。現在、2026年量産化を視野に、欧州Tier1ブレーキシステムメーカーにサンプルを提供し、適合性評価を進めている。 　開発したブレーキパッドは、原材料にアスベスト(石綿)や鉄を含まず、ブレーキ時の摩耗が少ないため、環境負荷が低く、静粛性に優れている。ブレーキ性能も欧州で主流のロースチール系ブレーキパッドと同等レベルの高さ。 　近年、自動車業界では、脱炭素社会へ対応もあり EV 化が急速に進んでいる。世界の新車販売のうち EV が占める割合は、2035 年には 50％に達すると予想されている。EV 向けのブレーキパッドは、車体重量の増加によりブレーキへの負荷が高くなる。回生協調ブレーキとの適合性も重要となる。 　欧州で2028年以降に適用される新環境規制「EURO-7」では、ブレーキの摩耗による粉塵も規制の対象となる。このため制動力に優れ摩耗の少ないブレーキパッドが、これまで以上に求められるとしている。 　 ＜用語の解説＞ ◆回生協調ブレーキ　：EV に搭載されるブレーキシステムで、回生ブレーキと摩擦ブレーキを組み合わせて効率的な減速を実現する。車両の減速時に発生する運動エネルギーを電力に変換し、バッテリーに蓄えることでエネルギーを再利用できる。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1719980232.pdf