2024年07月05日
ブロックチェーンのトリレンマを表現する数式を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 ブロックチェーンのトリレンマは、2017年に提唱されて以来、研究者の間で広く信じられてきた。これは、性能(scalability)と安全性(security)、そして分権性(decentralization)の3つにはトレードオフがあり、同時には2つまでしか成立しないという経験則だ。ただ、あくまで経験則であり、これまで数理的に表現されたことはなかった。

 京都大学 学術情報メディアセンターの首藤一幸教授らの研究グループは4日、ブロックチェーンのトリレンマを表現する数式を発見したと発表した。具体的には、Proof of Work型のブロックチェーン(例:Bitcoin)において、安全性を下げるフォークという現象が起きる確率の逆数を安全性の指標とした場合に、その項と、性能を表す項、分権性を含む項、それら3項の積が一定である、つまり3項がトレードオフであるという数式を得た。

 本研究成果は、2024年6月5日に、国際学術誌「IEEE Access」にオンライン掲載された。