2024年07月05日
東北大、不安定中性子から量子系生成に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学大学院 理学研究科の三木謙二郎准教授らの研究グループは4日、三個の中性子のみ、三個の陽子のみからなる量子系を生成しその不安定性を明らかにしたと発表した。今回、三個の中性子のみ、三個の陽子のみから成る量子系の生成に成功した。
 自然界には、重力、電磁力、弱い力、強い力という「4種類の力」が存在するが、強い力が支配する原子核の世界についてはまだ分かっていないことが多い。

 今回の研究成果は、宇宙に多数存在する中性子星をミクロな立場から明らかにしていくためにも重要で、星の進化や元素を合成する過程の解明につながると期待される。
 実験は三木准教授らが富山大学水素同位体科学研究センターで開発した世界最高厚のトリチウム吸蔵チタン標的と、理研仁科加速器科学研究センターRIビームファクトリー、大阪大学核物理研究センターという2つの加速器施設を使って行われた。自然界の強い力を理解する重要なヒントが得られるとしている。
 研究成果は、米国物理学会誌「Physical Review Letters」に7月4日オンライン公開された。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/