2024年07月11日 |
小惑星リュウグウの水に化学進化の源流発見 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:鹿児島大学 |
海洋研究開発機構( JAMSTEC )をはじめ慶應義塾大学、九州大学などの7大学、1企業からなる国際共同研究グループは11日、探査機はやぶさが小惑星リュウグウから持ち帰ったサンプルを分析した結果、リュウグウには水と親和性に富む、多種多様な有機酸群(シュウ酸、マロン酸など65種)および窒素分子群(アルキル尿酸など19種)が存在していることが分かったと発表した。 その中には、クエン酸、リンゴ酸、ピルビン酸、乳酸、メバロン酸などのほか、有機―無機複合体であるアルキル尿素分子群を含んでおり、物理因子と化学因子のみが支配する化学進化の源流が明らかになった。また、二つのタッチダウンサンプリングサイトの有機物を構成する軽元素組成(炭素、窒素、水素、酸素、硫黄)および安定同位体組成、分子組成、含有量などの有機的な物質科学性状も総括した。 今回成果は、初期太陽系の化学進化の一次情報を提供するとともに、非生命的な有機分子群が最終的に生命誕生に繋がる進化の過程をどのように導いたかという大きな科学探究を理解する上で、重要な知見となる。 これらの成果は、科学誌「Nature Communications」(2024年7月10日付)に掲載された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240711_pr.pdf |